小室宏二先生に聞きたいこと。 第三回
JUGEMテーマ:ブラジリアン柔術
変形柔道って何?編
Q.小室先生のような柔道スタイルは、柔道界では変形柔道と言うんでしょうか?
komlock
「変形柔道」「邪道」「せこい」など散々と言われることがあります。
そう考えるとやはり柔道は「投技主体の競技」だと言わざるを得ません。
日本柔道には「正しい柔道」と呼ばれる理想のスタイルがあります。
建前上は「車の両輪」と表現されていて、投技(立ち技)と固技(寝技)
両方取り組むことになっているのですが、半々ではありません。
私が思うに、柔道がオリンピック種目になった時点で、柔道は着衣系組技格闘技の世界標準になったと言えます。
世界中にある様々な組み技競技が数あれど、オリンピックでは柔道を採用している。
オリンピックに参加するならば「柔道のルールに則ってやらなければならない」のです。
だから様々なスタイルがあって当然です。
ルールに則って試合をすれば、どんな技であれ、それは全て「正しい柔道」です。
多くの日本人柔道家が指向しているのは、自分たちにとっての「正しい柔道」なだけで、
世界的に見れば「日本的な柔道」でしかありません。 そしてその「日本的な柔道」は寝技を疎かにしたスタイルです。
柔道を創始した嘉納師範は、本来、もっと広い視野で講道館柔道を起こしたはずです。
それを受け継いだ門弟達が、現代まで頑なに守ってきた柔道はある意味「鎖国的」です。
寝技主体だろうが、サンボスタイルだろうが、柔軟に応じて組み、投げ、極めるスタイルが
本来の柔道ではないかと考えています。
藤原
なるほどぉ〜。私自身まったく柔道をやらないですし、見もしないんですが
寝技を疎かにした柔道というのは、全然「車の両輪」ではないですね。
それにしても、「邪道」は、なんとなくわかるんですが・・・「せこい」って・・・。
これのどこが、せこいですかね・・・すごくかっこいいと思うんですが。
komlock
しかし、柔術にも同じことが言えると思います。
ブラジルの真似だけでは、追い越せないと思うんですよね。
藤原
!!といいますと?
komlock
対人競技には、単純比較できない相性というものがあります。
柔道でも「日本的な柔道をする外国人選手」は素晴らしい技術で投げる一方、
日本人選手には軽くやられてしまうことがあります。手が合うのでしょう。
変則的な柔道で、何を仕掛けてくるのか分からないような外国人選手と対戦したときの方が
日本人選手はやりにくそうにします。
私自身も稽古では柔術の技術を学ぶ一方で、柔術家と対戦する場合は敢えて柔術をしません。
「柔術ルールの中で自分の柔道」をします。
私のストロングポイントは「立ち姿勢から寝姿勢への際の強さ」ですから、
その場面をより多く展開するようにします。
野球だって「日本の野球」と「アメリカのベースボール」は違うって言いますよね。
柔術で外国人と渡り合うには、やはり同じことをしていては適わないと思います。
「自分にはこれ」「日本人はこれ」というスタイルを確立しなければ、そう簡単には越えていけないと思います。
柔術のことをあまり分かっていないのに、生意気を言ってスイマセン。
藤原
なるほどぉ〜。ブラジルっぽいことしてくる日本人はブラジル人からしたら
「はは。それね。似てるけどちょっと違うんだな。こうやるともっと新しいよ。」
みたいな感じに思ってるんですかね・・。
私たちはブラジリアン柔術に憧れていますし、ブラジル人が作った教科書を元に、
よく学んでるわけですけど教科書を作っている人たちに勝てるか?というとわからないですね。
ブラジル人でも知らない事をやらないとダメなのかもしれません。
小室先生の弟子が柔術の試合でバシバシ勝つのを見たいです!!
ちょっと違うかもしれないけど、音楽界がそんな感じですね。アメリカやイギリスの
音楽を超リスペクトして、かなり近いところまで持って行っても本場じゃパッとしなくて。
勝手に色々改造して原型をとどめてないものとかが、めちゃくちゃ受けたりするんですよね。
ジャーマンメタル+暴走族+ベタなクラシック=XJAPAN。
Xは日本で流行っている頃、洋楽ファンから演歌メタルとバカにされていた。
しかし時は経ち、昨今世界中のメタルバンドでも、これだけ客を集められるバンドは少ない。
もっと詳しく知りたい→競技の違いを活かす:5669ブログ
変形柔道と普通の柔道の違いが分かりやすい漫画はこちら→ 『Other』カクイシシュンスケ
Q.小室先生の動画漁ってたら、これにたどり着いたんですけど
GI06(2005年)ビビアーノフェルナンデス(柔術世界王者)との対戦。
最後クローズドガードしてるビビアーノに対して、ジャイアントスイングからのスラミングで
小室先生反則負けしてるんですよね。これ、なんでスラミングしたんですか??
komlock
回しただけですよ(笑)
スラミングしようとおもったわけじゃないんですねw
あれよく見てください、奴が手で僕の足を払ってます。
それで僕はバランスを崩してますから
藤原
なるほど。見えてませんでした。
komlock
その数週間前、アブダビの日本予選で三角絞をされて、
バスターして失神KOしてるんですよ。そのイメージも残っていたかも知れませんが
実際、奴はひとつもダメージ受けてないと思いますよ。
とにかく時間が迫って、逃げまくってきたので、予想もできないような展開から突破口を見つけようと思いまして。
藤原
プロレス魂がでちゃったと・・。
komlock
あと以前、村浜さんというシューターがクロスガードされた状態から
ジャイアントスイングして、アキレスを極めたんです。それが頭にありました
藤原
そうだったんですね。突破口を見出そうとしたんですね。
今後行き詰った時には回ってみます。
第四回につづく。
変形柔道って何?編
Q.小室先生のような柔道スタイルは、柔道界では変形柔道と言うんでしょうか?
komlock
「変形柔道」「邪道」「せこい」など散々と言われることがあります。
そう考えるとやはり柔道は「投技主体の競技」だと言わざるを得ません。
日本柔道には「正しい柔道」と呼ばれる理想のスタイルがあります。
建前上は「車の両輪」と表現されていて、投技(立ち技)と固技(寝技)
両方取り組むことになっているのですが、半々ではありません。
私が思うに、柔道がオリンピック種目になった時点で、柔道は着衣系組技格闘技の世界標準になったと言えます。
世界中にある様々な組み技競技が数あれど、オリンピックでは柔道を採用している。
オリンピックに参加するならば「柔道のルールに則ってやらなければならない」のです。
だから様々なスタイルがあって当然です。
ルールに則って試合をすれば、どんな技であれ、それは全て「正しい柔道」です。
多くの日本人柔道家が指向しているのは、自分たちにとっての「正しい柔道」なだけで、
世界的に見れば「日本的な柔道」でしかありません。 そしてその「日本的な柔道」は寝技を疎かにしたスタイルです。
柔道を創始した嘉納師範は、本来、もっと広い視野で講道館柔道を起こしたはずです。
それを受け継いだ門弟達が、現代まで頑なに守ってきた柔道はある意味「鎖国的」です。
寝技主体だろうが、サンボスタイルだろうが、柔軟に応じて組み、投げ、極めるスタイルが
本来の柔道ではないかと考えています。
藤原
なるほどぉ〜。私自身まったく柔道をやらないですし、見もしないんですが
寝技を疎かにした柔道というのは、全然「車の両輪」ではないですね。
それにしても、「邪道」は、なんとなくわかるんですが・・・「せこい」って・・・。
これのどこが、せこいですかね・・・すごくかっこいいと思うんですが。
komlock
しかし、柔術にも同じことが言えると思います。
ブラジルの真似だけでは、追い越せないと思うんですよね。
藤原
!!といいますと?
komlock
対人競技には、単純比較できない相性というものがあります。
柔道でも「日本的な柔道をする外国人選手」は素晴らしい技術で投げる一方、
日本人選手には軽くやられてしまうことがあります。手が合うのでしょう。
変則的な柔道で、何を仕掛けてくるのか分からないような外国人選手と対戦したときの方が
日本人選手はやりにくそうにします。
私自身も稽古では柔術の技術を学ぶ一方で、柔術家と対戦する場合は敢えて柔術をしません。
「柔術ルールの中で自分の柔道」をします。
私のストロングポイントは「立ち姿勢から寝姿勢への際の強さ」ですから、
その場面をより多く展開するようにします。
野球だって「日本の野球」と「アメリカのベースボール」は違うって言いますよね。
柔術で外国人と渡り合うには、やはり同じことをしていては適わないと思います。
「自分にはこれ」「日本人はこれ」というスタイルを確立しなければ、そう簡単には越えていけないと思います。
柔術のことをあまり分かっていないのに、生意気を言ってスイマセン。
藤原
なるほどぉ〜。ブラジルっぽいことしてくる日本人はブラジル人からしたら
「はは。それね。似てるけどちょっと違うんだな。こうやるともっと新しいよ。」
みたいな感じに思ってるんですかね・・。
私たちはブラジリアン柔術に憧れていますし、ブラジル人が作った教科書を元に、
よく学んでるわけですけど教科書を作っている人たちに勝てるか?というとわからないですね。
ブラジル人でも知らない事をやらないとダメなのかもしれません。
モダン柔術も、単なる一流派とも考えられますし、
これからまだまだ、世界で独自のスタイルが生まれる気がします。
戦略として、相手が知らない技で戦うといのは兵法の基本ですしね。(たぶん)
これからまだまだ、世界で独自のスタイルが生まれる気がします。
小室先生の弟子が柔術の試合でバシバシ勝つのを見たいです!!
ちょっと違うかもしれないけど、音楽界がそんな感じですね。アメリカやイギリスの
音楽を超リスペクトして、かなり近いところまで持って行っても本場じゃパッとしなくて。
勝手に色々改造して原型をとどめてないものとかが、めちゃくちゃ受けたりするんですよね。
ジャーマンメタル+暴走族+ベタなクラシック=XJAPAN。
Xは日本で流行っている頃、洋楽ファンから演歌メタルとバカにされていた。
しかし時は経ち、昨今世界中のメタルバンドでも、これだけ客を集められるバンドは少ない。
もっと詳しく知りたい→競技の違いを活かす:5669ブログ
変形柔道と普通の柔道の違いが分かりやすい漫画はこちら→ 『Other』カクイシシュンスケ
Q.小室先生の動画漁ってたら、これにたどり着いたんですけど
GI06(2005年)ビビアーノフェルナンデス(柔術世界王者)との対戦。
最後クローズドガードしてるビビアーノに対して、ジャイアントスイングからのスラミングで
小室先生反則負けしてるんですよね。これ、なんでスラミングしたんですか??
komlock
回しただけですよ(笑)
スラミングしようとおもったわけじゃないんですねw
あれよく見てください、奴が手で僕の足を払ってます。
それで僕はバランスを崩してますから
藤原
なるほど。見えてませんでした。
komlock
その数週間前、アブダビの日本予選で三角絞をされて、
バスターして失神KOしてるんですよ。そのイメージも残っていたかも知れませんが
実際、奴はひとつもダメージ受けてないと思いますよ。
とにかく時間が迫って、逃げまくってきたので、予想もできないような展開から突破口を見つけようと思いまして。
藤原
プロレス魂がでちゃったと・・。
komlock
あと以前、村浜さんというシューターがクロスガードされた状態から
ジャイアントスイングして、アキレスを極めたんです。それが頭にありました
藤原
そうだったんですね。突破口を見出そうとしたんですね。
今後行き詰った時には回ってみます。
第四回につづく。
- 2014.12.05 Friday
- シリーズ『そうだ黒帯に聞いてみよう』
- 16:57
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- -
- by 藤原