『はじめての柔術の試合』会社経営 藤沢タケヤスさんインタビュー
JUGEMテーマ:ブラジリアン柔術
藤沢タケヤス(ふじさわ たけやす)さん トライフォース新宿所属
青帯 (40歳 2016年現在)
〇お仕事はなんですか?
仕事は自営業です。建材業、遊技場、飲食業をやってます。飲食は、千葉の柏で焼肉店をやってます。22歳の時に父が病で他界したのをきっかけに、会社を引き継ぎ今に至ります。
〇若くして社長業を継いだわけですよね。普通の20代とは違う人生を歩んできたということですが、もし継いでなかったら何をやっていたと思いますか?
18歳位の時からバンドを始めて、父が亡くなったのは自分が22歳の時で大学を卒業してすぐだったんですけど、その当時はヘルプを入れると3つのバンドを掛け持ちしてたんですね。Vo一つと、Ba二つで、スタジオが週に3回で、週末にライブがはいる感じで、結構忙しくというか、充実した感じで、就職活動も全くしてなかったし、暫くはバンドをメインにして、少しお金を貯めたらアメリカに住んでみたいなぁーなんて漠然と考えていました。
それが大学の卒業式の日に、私は卒業式にも行って無いんですけど、父が肝臓癌で余命1年だと父自身に告げられました。そして、良かったら会社を継がないかと相談されて継ぐ事にしました。結果的にはその後半年で父は他界してしまったんですけどね。バンドは事業に専念せざるをえない感じで、スパッと辞めました。もし継いでいなかったら、団体行動が出来ないし、コミュニティも苦手なので、会社勤めはしてないと思います。考えていたら恐ろしくなってきました。
〇ちなみにどんな音楽やってたんですか?
やっていたジャンルは、アメリカなハードコアパンクに強く影響を受けた音だったと思います。小学生の頃は光GENJIと、マイケルジャクソンが好きな子供だったんですけど、中学生の頃はバンドブームとかの影響で、X,バクチクなんかを聴くようになって、色々なバンドに興味が出る中でパンクとかも聴くようになりました。でもまだそこまでのめり込む感じではなくて、普通に好んで聴く位のかんじだったんですけど。
〇なるほど。私(藤原)もX→メタリカとメタル路線に進んだんですが、袂は一緒だったんですね。
高校生活の後半位に、学校の友達にとてもパンクに詳しい友達がいて、こんなカッコイイバンドがあるよと教えてもらったのがきっかけでかなり音楽にのめり込みました。確か120分テープにギッシリで、GORILLA BISCUITS,ALL, BAD RELIGION, AGNOSTICFRONT,OPERATION IVY,YOUTH OF TODAY, MightyMightyBosstones,MINOR THREATなど、今でも大好きなバンドが詰まっていたんですねー。あれが原体験だなぁ胸キュンだなぁー。そこから、レコード屋さんにも通うようになって、ライブにも通うようになって友達も増えて、本当に楽しかったです。因みにトライフォース新宿の周りにはレコード屋さんが集まっていたので良く来ていたんですよ。入会したばかりの時は、とても懐かしい気持ちで通っていました。あと新宿ロフトもありましたしね。
〇最近はレコ屋減りましたね。どんな音源でもネットで手に入るのはいいことなんですが、わざわざ遠くまで買いに行くという感覚は、我々の時代の特権だったのかなと思いますね。
〇柔術歴を教えてください。
柔術歴は、トライフォースに入って約4年だと思います。その前は、10年位前に総合と柔術を教えているジムに少しだけ通った事があります。そこは直ぐに辞めて、時折友達と公共の体育館などで練習をしていました。
〇私と同じ朝クラスで、もう長いこと一緒に練習してますね。朝クラス(昼の11時から)に出てる人って藤沢さん含め社長が多いんですよね。ところで、今回格闘技歴足掛け10年にして初めて、柔術の試合に出たんですよね?(2016年デラヒーバカップ)どうして突然出ることになったんですか?
今回試合に出てみたのは、ジムの仲間達が試合に出場しているのを見て興味がでてきたのと、知らない人の中で自分の力量を試してみたかったからです。
〇出て見てどうでしたか?
でてみて感じたことは、試合に向けた調整に結構神経を使うものだという事がわかりました。体重もそうだけど、練習量を増やしながら、でも怪我にも繋がるので疲労も計算したり。丁度季節の変わり目だったので、風邪には気を付けましたね。試合の一週間前から、家内が風邪で熱をだして、咳をゴホゴホし始めた時は恐怖さえ感じました。風邪で欠場は絶対に避けたいですからね。基本的に家内が箸を付けたオカズには、後から箸を付けない、咳したら息を止めるなど工夫をしました。そしてうちには二人の小学生の娘がいるのですが、いつも以上にウガイ手洗いを徹底させました。とにかく風邪への恐怖が半端無かったです。
そして、当日の試合に関しては、会場に着いても、割と緊張せずに過ごせていたんですが、計量してから突然緊張感が湧いてきました。
試合前のナーバスな藤沢氏
今回の試合に当たっての目標が幾つかあったんですけど、その一つが、自分の心を出来るだけコントロールする。だったので、おーこれだ、ここで早速課題だ、落ち着け落ち着け」と自分に言い聞かせ、なるべく飼ってる犬の事など考えていました。
愛犬マメちゃん。メス
それでも、とうとう自分の出番になって呼び出された時は再び緊張感がマックスに達し、試合が始まると、とにかく筋肉が疲れました。
何ともいえない、全身の筋肉に乳酸が溜まっていく感じ。思った通りに体が動かないんです。それでも、水中でもがくように動いて、結果的には三試合戦いました。 しかし、戦いながら感じたのは、対戦相手も緊張していたし、凄く疲れているってことです。 皆んな、試合に向けて何かを削って準備して来て、そして当日を迎え、ぶつかり合う。何かそう思ったら感慨深くなってきたんですよね。
対戦相手に対して愛情というか、同じ競技の下での仲間意識というか、なにかとても爽やかなものを感じました。 あと、周りの人の応援が嬉しかったです。それが無かったら結果は違っていたと思います。
しかし、対戦相手への声援もあるわけで、自分のピンチにあっちは喜びの声援とかになる訳ですよね。そういうのは面白いなと思いました。今回は野次とかは無かったですが、自分は多分、相手側の応援の野次に意外に返って燃えるタイプかもしれないと思いました。見ている人がいる、という状況は試合の中で大きな要素なんだと気付きました。
結果3試合戦って、決勝で敗れて銀メダル獲得!!
〇柔術の魅力を教えてください。
柔術の魅力は、無数と言っても良い位に豊富なテクニックが魅力的だと思います。とても理論的に出来ている柔術のテクニックは、知れば知る程奥深く、何度も目から鱗が落ちました。そしてその日の体調に合わせて、スパーリングの強度もテクニックで変えられます。ちょっと昨日の飲酒が響いてるな、って日はなるべくボトムポジションで固いディフェンスを敷いて耐える練習をしたり。よし、今日は思い切り行きたいなと思えば、トップポジションで右に左に動いても良しです。強度を調整出来れば、練習回数も増やせると思います。
それと、ストレスの発散には本当に役立っています。悩み事が有っても、練習が終わればすっかり忘れてしまいます。実は結構仕事の事なんかで悩んでいた時期もあったんですが、柔術のお陰で、本当に救われました。練習が終わると頭がスッキリしているんです。
柔術の魅力はいっぱいあるのですが、あとはやはり、色々な人と友達になれるって所ですね。年齢も仕事もバラバラな人達が集まって、汗ビチョビチョになって、あーでも無いこーでも無いとやってるのは本当に楽しいです。
〇逆に柔術やっててココがいや。ということってありますか?
指の関節がボコボコになること。
電車でテクニックの事を考えていて、駅を乗り過ごしてしまう事がある。
子供に技をかけて泣かす。
嘘をついてでも練習に行きたくなる。
練習の後のビールが美味しすぎる。
練習の後のゴハンが美味しすぎる。
柔術を知らない人に説明するのが面倒くさい。
テーブルの脚にデラヒーバフックをかけてるのを見られると恥ずかしい。
寝返りにエビを使うようになる。
〇あるあるが沢山でてきましたね。今後の抱負を教えてください。
とにかく怪我をしない事と、無理をしない事ですね、末長くやって行きたいので。常に楽しんでやっていこうと思います。 技術的な事で言えば、スパイダーガードを練習するのと、ミドルレンジのパスガードを練習しようと思います。
〇藤沢さん。ありがとうございました。私自身初めて試合に出たのが、2010年頃で、もうよく覚えていないので、このブログで初めての試合という感じの記事を書けないでいました。今回こうやってフレッシュな話が聞けて本当に良かったです。
藤沢さんの経営している焼き肉屋さん
柏とらのや(食べログリンク)
撮影場所:トライフォース新宿
オジサンの強い味方、飲めば疲れ知らず!エクステンド
- 2016.12.05 Monday
- 柔術と人
- 16:06
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- by 藤原