被災した道場。熊本TATORU(タトル)出稽古記 その2
JUGEMテーマ:ブラジリアン柔術
三池さんの運転と前田さんのガイドにより、市街から益城町を目指す。熊本市街は外壁が落ちていたり、道路がぼこぼこだったり、ガラスが割れている。といった程度だったが、益城町に近づくにつれ、そこはあきらかに悲惨なことになっている。
三池さんの家は大したことなかったらしいが、前田さんの家は断水して、近くの公園から水を汲んでもってくる生活が何日か続いたらしい。
木造の古い家はかなりやられている。
ドアに貼られた赤紙は、もうこの家はダメです。という意味らしい。
最初のうちは、倒壊している家が珍しかったので、右や左を見ては、「あ!あそこも倒壊している。あ、こっちも。」と車内からジュラシックパークに来たかのように驚いていたが、震源地に近づくに連れ、もうほとんど倒壊しているので、驚かなくなってきた。
半端に倒壊しているうちは、危ないので絶対に近寄ってはダメだ。
この状況でテナントは入らないとは思うが。たぶん倒壊前の物だろう・・。
ご当地キャラのメッセージはいたるところに見受けられた。
いよいよ中心地についた。車を降りて例の体育館に行く途中に
曲がったガードレールと、真ん中からひび割れた道路。
道に穴が開いている・・
例の体育館だ。この中にまだ被災者が避難しているのだ。
どうやったら地面がこんなになるんだ??
日本赤十字のテント。私はここに募金した。しっかり助けてやってくれよ。
このあと我々は、体育館の中を見た。ちょうど夕ご飯時で、弁当が配られていて、みなさんが食べていた。そんなところでシャッターをバシバシ切るほど、私はデリカシーがないわけではないので、画像はないが。正直ショッキングだった。311の時もそうだったが、避難している人のプライバシーなんかはないし、ものすごいストレスと戦っているのがわかる。しかもその時そこにいたのはお年寄りと子供ばかりで、社会的弱者が取り残されている感じになっていて、こんな私でも心が痛んだ。体育館の武道場があって、そこは柔術の試合もする場所らしく、「いつもここで試合やっとすけどねぇ。」と三池さんも困惑気味・・。
ボランティアでもない我々が長居するのは失礼なので、すぐに出た。
次に、そのあたりの被災状況を動画に収めてみたので見てほしい。
日常が一瞬にして、非日常に。地震の威力はすさまじい。
おそらく家主だろうか・・。呆然として立ちすくんでいる。
正直どこも全然復旧は進んでいない。道路だけはかなり復旧したようであるが、建物はまだまだこれからのようだ。私が見ただけでも100棟は全壊していた。この状況で死者48名というのは、不幸中の幸いであろう。本震があとから来たのが良かった。1発目であれだけデカいのが来てたら、もっとやられてた。そして火事も少ないのも不幸中の幸いだろうか・・。
ただ、私のような門外漢が何が不幸で、何が幸いかなんて、軽く言えたもんじゃない。家を失った人たちの思いは私にはわからない。正直なところ、見たまましか伝えることはできない。
と、これが私が見た、益城町の全てである。
つづく。
- 2016.05.23 Monday
- 取材
- 18:29
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- by 藤原